教室長 英語

”skeleton in the closet”

投稿日:2020年11月5日 更新日:

「戸棚の中の骸骨」と訳せますが、
そういう意味ではなくて、
「隠しておきたい内輪の秘密や恥」という意味の idiom だそうです。
主に英国で用いられる言い回しだとか。



というのが一般的な解説ですが、
乙野四方字さんのラノベのタイトルにもなってます。

紹介文には
『母校のとある教室にいじめの告発ノートが隠されている』
という下りも書かれています。
上の解説とほぼ同じ意味ですね。

「クローゼットの中の骸骨」というフレーズは19世紀のイギリスで生まれたらしい。
以来、イギリスでは「クローゼット」という言葉は、「水洗トイレ」つまり洗面所を主に意味するようになりました。

フレーズ全体の元来の意味は、
【非難されると思われる人物が、明らかにされそうな悪い秘密を持っていることへの言及】
そのためイギリス国内でクローゼット・食器棚の画像を見せられると、
あちらの方々は犯罪やホラーのオーラを常に感じるそうです。
(((((((( ;゚ω゚))))))))ガクガクブルブルガタガタブルブル

最初に使用されたのは1800年代初頭。
(探すことができる)最古の作品はというと、
William Hendry Stowell(ウィリアム・ヘンドリー・ストウェル)
当時の月刊誌TheEclectic Reviewに寄せた作品です。
(リンク先はこの作品が載ってる号じゃないのであしからず。)
この文章で「skeleton」「病気、感染性、遺伝性」を表している。

ビクトリア朝時代の小説では「死体隠蔽トリック」として広く使用されてました。
代表的な作品として
エドガー・アラン・ポー「The Black Cat」という短編小説を挙げておきます。

1843年発表の作品「黒猫」。
 リンク先は青空文庫様。
最後の方の「皆さん」で始まる段落とか。

このフレーズは、悪名高い”墓荒らし時代”に由来することが示唆されています。
つまり、イギリスの解剖法が医学研究のために使用を許可した1832年以前のことです。
宗教的、法的に使用が禁じられている「骸骨」を、医師が食器棚に隠して所有していたという事です。
(証拠は無い、とのこと。)

壁に囲まれた場所に隠された骸骨が時々発見されてニュースになりますが、
大体は「望まれない子供」のものだそうで。

現在のイギリス英語では「食器棚の骸骨(Skeleton in the cupboard)」と言い、
一般的に「クローゼットの中の骸骨(Skeleton in the closet)」というフレーズを使うのは米国(アメリカ)だそうです。

今でこそよく聞くカミングアウト(Come out もしくは Come out from closet)というフレーズですが、
アメリカで1960年代に使用され始めたそうですが、
これも「クローゼットの中の骸骨」から派生した表現です。

しかし、英国では食器棚から出てきて自分たちをゲイだと宣言した人は誰もいません。

-教室長, 英語


comment

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

関連記事

no image

AIスーツケース

昨日、たまたまテレビをつけていて見た番組です。 今、ちょうどAIについての本を読んでいたので興味本位で見てみたのですが。。。 浅川智恵子さんが中心になって開発しているというこのスーツケース。 盲導犬の …

小野田教室第1期生達。

定期テスト前になると、LINEで連絡が来ます。 『明日、行ってもいいですか?』 『今日、行ってもいいですか?』 工業高校に進学した元ゼミ生達の数人が、テスト前に勉強しに来てくれます。 私が教えることが …

no image

体調不良。

ここ数週間、体調が良くなさそうなゼミ生がいました。 体がしんどいとかで、土日の自習にも来ませんでした。 (彼にとっては珍しいことでした。) やっと調子が戻ってきたみたいで、元気な姿を見る事ができて安心 …

no image

小野田教室よりお知らせ。

もってけさんに載せていただきました!! 体験授業だけでもどうぞ!! https://mtke.jp/life/970/ u

2023年度山口県公立入試平均点。

4月末に平均点が発表されました。 私なりの問題分析は平均点とほぼ一致していたのですが。。。 数学の平均点が大幅に下がったことは、大きな衝撃を受けました。 小野田教室で受験したゼミ生は、 『数学、簡単だ …

サイト内検索

カテゴリー

アーカイブ