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国語の質問に対して返答(作成中)

投稿日:2020年7月7日 更新日:

田中克彦
言語学とは何か
高1国語

●あげつらう→論ずる必要の無い事にまで言及すること

●恣意→勝手思うまま(によって何らかの決定を行うこと)、恣のみで「ほしいまま」と読む。

●憎むべきかもしれない→「憎むべきかもしれない①その親が与えた②もの」と記述されている。「憎むべきかもしれない」が修飾する先を①ととるか②ととるかによって、少なくとも2通りの解釈が可能だと思われる。①「憎むべきかもしれない・もの」→筆者は言葉が社会から暴力的に押し付けられたものだと述べているので、「憎むべきかもしれない・もの」=「憎むべきかもしれない・ことばというもの」と考えることができる。①の場合、名前とは、本人が認めていないところで使われ始め、本文中のこの瞬間も使われているであろう、オト(名前の音読した時の音の連続)と実体(本人)の接続であり、名前という存在自体が親や社会から暴力的に押し付けられたものの一つであると解釈できる。②の場合は「憎むべきかもしれない・親」という解釈になると思われるが、これは、名前がおしつけられたことへの憎しみと同様に、①に述べたような側面を持つ「名前」というものそのものを押し付けてきた親というものをも憎むべきかもしれない、と述べているようにとることができる。①と②は堂々巡りをしているようにも思われる。一方を選べというならば、私は①を支持したい。

●12ページ79行目【言葉は単語帳ではない、つまり、言葉は「ものの数だけある名前の一覧表」ではない】という一節が省略されている。よってあなたの読解どおり、ここではソシュールの言葉について「単語帳=ものの数だけある名前の一覧表」と考えてよい。

●12ページ84行目:あなたが読んだ内容通りです。AとBが相対的という場合はAを把握する際にBを比較対象とし、また、Bを把握する際にAを比較対象とすることを指します。84行目の「イコール」という書き込みは筆者の主張として正しいでしょうし、読解としても正しいでしょう。この「イコール」の関係性によって84行目と85行目の中で「記述の具体化」が行われています。12ページ84行目の下の書き込みもその通りだと感じられます。

●9ページ:どんな実態→さめた言い方が実態に反するということは、さめていない言い方が実態に即しているということ。ではさめていない言い方とは何かといえば、27行目を「さめていない風」に書き換えれば、【こうして一度身につけたことばを、身につけてきた過程やことば自体を批判せずに、ただ美しいといって賛美することが、自らの幸福度を高める方法である】というようになろうか。「世間に・受け入れられる」という部分に筆者は「うまく」という言葉を挟んだ。これを深読みすれば、「うまく」受け入れられたいという願望がヒト全般にはあるのではないか、もっといえば、ヒトは世間にうまく受け入れてもらえないというデフォルト設定が、世間とヒトとの間にあるのではないか、という筆者なりの客観や主張が読み取れるように思う。つまり、ことば体系全体を批判せず受け入れることでヒトは世の中に自分を合わせることができハッピーだろうと書かれているわけだ。であれば「ことばを批判せずに、ただ(ことばや、青空や、青空に対して「アオゾラ」と発音すること、などを)美しいと言うことで、世間や他人に無関係のままにヒトが幸福を感じることが実態だ」と筆者は言っていると考えられる。すこし筆者の主張を、筆者の主張からはみ出し気味に書いたけど、伝わるかな。

上記文章は推敲なしで書いているので、後で加筆修正します。

▼以下加筆

■各段落の解説混じりの勝手要約。

段落1
各語彙の生い立ちを知っているか、問題提起。

段落2
段落1の例示。アシと呼んでいる物にアシという音を当てはめるのは不合理だと言う者はいない。

段落3
単語だけでなく、文法も同じ。ラレはなぜ受け身を表すか。疑問に思う者は変人扱い。だから言語が集団を同定する目印になる。(塾長注:本文には無いが、中国人は「中国語を話すかどうか」を、「その者が自分たちの同胞かどうか」をはかる基準の一つにしているらしい。日本人にその様子は少ないように思われる。)

段落4
母語は社会の暴力によって無理やり覚えさせられたものである。個人がただ受け入れざるを得ない社会のシステムを、スイスの言語学者ソシュールは「社会的事実」と言った。ソシュールはさらに、社会的事実の中で最も強力な圧力を及ぼすものが言語だと述べた。

段落5
母語は捨てられないし取り換えも効かない。(塾長注:真偽は知らないが、本段落の内容を検討するにはアマラとカマラの話が参考になろう。興味があれば調べられたい。なお、この手の話は真偽が断定しにくい。【インドで猿に育てられた少女】の話など、後から嘘とわかった例もある。)

段落6
母語は批判せずただ美しいといって受け入れ賛美する事で世間と融和できる。しかしこういう言い方、つまり「世間と融和するための一手段として人々が母語を美しいとって受け入れているのだ」という言い方・考え方は、実態に反する(と筆者は考えている)。アシと聞いて日本人が想像するだろう物体がアシという音で認識されているという「想像と、物体と、音との繋がり」は、誰にとっても必然で自明の事だ(と筆者は言っているが、科学的にそれが正しいかは定かではない)。

段落7
筆者の自論展開。単語は「概念と音の繋がり」だという。ソシュールがこれを「記号の恣意性」と呼んだらしい。恣意性とはつまり勝手性である。この恣意性(勝手性)は、個々の単語だけでなく各言語の文法等、言語の全ての領域に及ぶ。

段落8
こういう勝手性は単語以外にも存在するけど、これは深く考えないとわからないから続きを説明するね、といっている。

段落9
【モノ=ことば(オト)】という感覚は、言霊的な感覚。誰かを思い出すときにその人の名(オト)を思うこともその感覚に由来する。しかし名はその人の本質を表していない。名はその人の意思に100%関係なく勝手に与えられたものだ。

段落10
マウトナーはオーストリアの哲学者。オーストリアではドイツ語(の各地方ごとの方言)が話されている。

段落11
あるドイツ語話者のチロル人がイタリア旅行から帰ってきたとき、「イタリアは良い所だったが馬の事をpferdではなくcavalloと言う変な奴らが住んでいた」と言った、という冗談?が紹介されている。cavalloはイタリア語で馬。チロル人はドイツ語とのことなので馬に対してPferd(フィアツ、英音ならホースか?)を期待したのだろう。この話を持ち出したマウトナーにとっては、世の全ての人々もまた、このチロル人のように概念と音の繋がりを疑わないまま生きているようにみえたようだ。

段落12
概念と音の結びつきが自由であること(勝手であること)=記号の恣意性。このとき、概念をさすオトに何を選んでもよいことと同じく、オトが指す概念が何かもまた自由であって、それが重要だと筆者は言っている。

段落13
先のチロル人はcavalloというイタリア語を認めず、pferdというオトにこだわった。

段落14
しかしオトの交換にばかり気を取られるな、英語では馬はhorseとmareという少なくとも2通りのオトで表現するぞ、と筆者は言っている。

段落15
1概念に複数のオト、1オトに複数の概念。英語のhorseとmareのように、日本語にもユとミズがある。waterと水は(指し示す概念の範囲が完全一致するわけではないので)等価ではないとわかる。

段落16
他にも、老人を「古い人」と日本語では表現しない。「古い(old)」もまた指し示す範囲が言語ごとに異なる。

段落17
ここまでのとおり、単語の概念とオトの繋がりの恣意性だけでなく、意味の世界の分け方もまた恣意的(勝手的)だとわかる。ソシュールはこれを「言語は単語帳ではない。言語は、ものの数だけある名前の一覧表ではない」と述べた。

段落18
日本語は母音が5個、朝鮮語では母音が8個ある。これはつまり、意味の世界においてモノが切り取られる切り取られ方が言語ごとに異なるのと同じで、オトの世界でもオトを認識するためのオトの分割方法が言語ごとに異なることを示している。この状況で言語間を(誤解ゼロで)自在に行き来する橋が存在できる方法はない。

段落19
意味の世界もオトの世界も相対的で、どちらかが先に確定するものではない。オトが意味を、意味がオトを相互に決定している。ここに言語(記号)が生じる。人間はこの方法で世界を認識している。この認識方法ゆえに、その認識のセット=言語は恣意的だ。

問1:筆者は言語をどのようなものだと考えているか、整理せよ。
あなたの答え:
(言語とは)社会の暴力により覚えさせられる強力な圧力を及ぼす社会的事実であり言語ごとに意味の世界やオトの世界が異なるため恣意的なものである、と考えている。
アドバイス:
①「合理に基くものではなく、自らの意思で選ぶ物でもなく、」という一節が含まれてもよいと思われる。
②「恣意的なもの」というからには、恣意的じゃないものとは何か、に考えを至らせ、筆者がなんと考えているだろうかということにも思いを巡らせ、これに対して対比的な答えを用意したい。例えば「概念とオトが一対一対応するものではなく」という一節が入っていても良いように思われる。
③上記二点を考慮すると記述自体が長くなる。これは解答欄の大きさとも相談したいところ。無論今回は解答欄が存在しないので、上記二点を含む長めの記述と、上記二点を含まない短めの記述の、二通りの答えが用意できると良い。
④以上の事から、あなたの答えは80~90%正解と思われる。

問2:ソシュールの言う「記号の恣意性」を説明せよ。
あなたの答え:
言語ごとに意味の世界やオトの世界の分け方が違っている。
関連する質問:
○○性→○○な性質、ということか。
アドバイス:
⑤「○○性」を説明する場合、「○○という性質」で終わらせて良いと思われる。おそらくこのことに気付いていたため、あなたの答案には質問が付記されていたのだろう。
⑥ここはあまり要約せず抜き出し的になってもいいと思われる。具体的には、7段落目に書いてある内容から要約して、「指されるモノと指し示すオトとの間に必然の関係が無く言語ごとに異なる随意の連結があるということ」などでどうか。性質としなかったのは推敲が足りないからで、まずはこういう解答例にしておくが、後でより良い解答例が思いつけば「性質」という言葉で結べる解答例に変えるかもしれません。
⑦あなたの答えは50%くらいかな?もうすこし詳しく記述してよいと思われます。

問3:人間が世界を把握する方法が言語ごとに異なるのはなぜか考えよ。
あなたの答え:
生活や文化の違いにより世界を利用する方法が異なるため。
アドバイス:
うーん。どうしよう。その答えでいいと思われます。後でまた読んでみて、より良い答えが見つかれば提案します。よって今のところ90~100%ということで。

■最終ページの「読解問題」について。
問題1:「日本語は美しい言葉だ」(16)と言われることに対して筆者は否定的だがそれはなぜか。七十字以内で説明せよ。
あなたの答え:美しいからといってえらんだのではなく、社会の暴力によりおぼえさせられたうけ入れるしかない社会のシステムである社会的事実でしかないから。
アドバイス:
①「社会のシステムである社会的事実」という記述がわかりにくい気がする。明日もう一度考えてコメントしたい。
②そもそも筆者は「受け入れるしかない社会的事実の一つ」という考え方にも否定的じゃなかっただろうか。段落6付近を何度か読まないとならないだろう。私も自信は無いので明日また本文と問題とあなたの答えを読んでみるが、ひとまずはここまでをコメントとして残しておく。
③現段階であなたの回答が持つ完成度を考えると50%といったところか。本文抜きであなたの70字記述だけを読んで、記述内容に理解を感じる人が多いようには思われない。ただ良い改善案もいままだ思いつかないので保留状態にすることを許してほしい。

問題2:言語における「恣意性」について、二つの面から七十字以内で説明せよ。
あなたの答え:
言語ごとに指されるモノを指す音は異なっていてモノとオトに必然性がなく、また指されるモノの方も言語ごとにより分け方が異なること。
アドバイス:後半部分に「モノの分け方が言語ごとに異なる」という点だけでなく「オトの分け方も言語ごとに異なる」という点も含むと良いと思われる。75%の完成度と感じる。

■「言語システム」という言葉について。
この文章中での「システム」は「体系」と訳されるべきだと思われます。小さな要素が組み合わさって大きな要素となり、さらにそれが組み合わさってさらに大きな要素を作っている様子を「体系」というのでしょう。
質問の元になっている本文中で筆者が「言語」と言わず「言語システム」と言っているのは、「言語」とだけ書くと、ある単語から想起されるイメージ(概念)や、逆にイメージ(概念)から想起される単語について、イメージと単語が混在し一体となった状態で読者の想像が止まってしまうからだと思います。筆者は読者にイメージと単語を分けて考えてほしいと思っているのだと推察されます。イメージと単語がそれぞれ分かれていて、相互につながり合っていて、相互に定義し合い支え合っている。しかもそういう関係がその他の単語やイメージにも存在する。そしてこういう【枝葉】のような存在が互いにつながり合って大きな「言語」という【木】を作っている、そんな様子を想像してほしいので、「言語」といわず「言語システム」と表現したのではないでしょうか。

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