The Economist誌より(2025.06.16)
Why today’s graduates are screwed – The bottom has fallen out of the job market
「なぜ最近の大卒はヤバいのか」より内容抜粋と要約
いまアメリカでは、大卒の就職先が減少し、ハイテク、公務員、エンジニア、法律、ジャーナリズムなどについて就職難状態である。
アメリカ史上初めて、大卒の若者の失業率が、若者全体の失業率を上回ったままである。
この傾向はアメリカだけでなく、欧州、イギリス、カナダ、日本でも顕著だ。
MBA取得者などのエリート卒業者層でさえ苦境に立たされている。
スタンフォード大のビジネススクール卒業生でさえ、卒後3ヵ月経っても20%が定職に就けていない。(2024年)
大学の拡大が基準を引き下げ、才能のない志願者や質の悪い教育をもたらしている可能性がある。
サンフランシスコ連銀のレイラ・ベンガリによる新しい論文は、大学賃金プレミアムの減少は供給要因より需要要因にあると説く。
いくつかの分野で技術革新速度の鈍化がみられ、高い技術力を要する人材の過剰を招いていることを示唆している。
特に、初歩的な技術を必要とする仕事ほどこの傾向にあるらしい。
このシフトの結果は明らかで、経済のほとんどすべてのセクターで、学歴要件が緩和されている。
「大卒がいらなくなる」が始まりました。
記事によると、アメリカ史上初、大卒の方が失業率が高い状態、なのだそうです。
(いうまでもなく、職業を選ばなければ就職できるはずなので、大学に行くと就職できない、というわけではありません。)
コンピュータ技術者(職業プログラマ等)のうち、経験の浅い社員程度の仕事がAIに置換されています。
金融や法曹界で経験の浅い社員レベルの知識仕事が全般的に求人減っているそうで、これは生成AIが一般化する前からの傾向でしたが、いよいよ加速してきたようです。
それでも子供に大卒を望みますか、と問われたとき、答えは難しくないです。
「お金の都合がつくなら、ぜひ大学へ」とお伝えしたい。
以前の記事でも紹介しましたが、学は人の人らしさですし、人間に生まれた以上、学に向き合う価値はあるかなと。
金銭だけでなく、何を知り、何を見て、どう感動するかは、本人の知識量だけでなく、知識と思考を喜び尊ぶ仲間に恵まれたかどうかで変化します。
出会う仲間の質が変わります。
学びは日々の豊かさを変えます。
ただし、学歴というものを間違えて身につけて、一生結婚できませんみたいな人も見かけます。
無理やり大学生にすればいいってものでもないでしょう。
本人が本心から選ぶ必要がありますが、『知らないものからは選べない』のですから、大学とはどんなところか知らせるのも私たちの仕事の一つです。
生徒の皆さんに素晴らしい未来がありますように。