高校入試分析

2018石川県公立高校入試問題の分析(社会)

投稿日:2018年3月9日 更新日:

第1問 世界地理

例年通りの出題内容と形式。記号で答えずに国名を書かせるところに注意力と知識を問うているように見受けられる。

第2問 歴史(~江戸時代)

歴史上の出来事が書かれたカードをランダムに4枚並べるオーソドックスな出題。

  • 問4の(2)は公民の「需要と供給」のことが思い浮かばないと考えがまとまらないかもしれない。我が国は先物取引を世界で初めて行った歴史を持つ。経済学の視点の重要性は増しているように思われるので、歴史学と経済学の融合問題はこれからも出題されるだろう。

第3問 公民総合

物事の決定を題材にした公民の総合問題。

  • 問4は正しいものを2つ選ぶ方式、問5はすべて選ぶ方式で、それぞれ正誤判断する必要があるのも特徴的。時間が削られる。現在プレテスト中の大学入学共通テストもこの方式(複数選択・全部選択)を取っているものがそれなりにある。

第4問 日本地理

基礎項目の暗記がなされているかを記述でも問うてきている。問5は理科の視点から見れば小学生レベルの問題なのだが、高校入試社会科として出題された際に心静かでいられるかどうかは生徒による。ここで必要とされる冷静さを養うよう仕向けることも我々には要求される。

第5問 歴史(明治時代~)

見慣れた形式だが内容は簡単ではない。ただ、出題者が「この入試問題が過去問として扱われ、今後数年間の石川県の中学三年生を鍛え続けるだろう」と意識し、教育的な出題方法になっているように見られる。

第6問 公民(経済)

経済活動と税金に関する問題。

  • 問1~問3の(1)までは教科書的な標準問題だったが、問3の(2)は少し驚かされた。ヒントになるグラフはあったから解答は簡単に出たと思うが、「徴税側の視点に立って答える」というのが今まであったような、ないような。納税側に徴税側の視点に立たせる意味や意図は。
  • 問4 経理で年末調整などをやっていればよく見る「所得税の速算表」を使った計算問題(金商受けた人は完答して欲しい問題だ)。計算するだけなので決して難しくはない。累進課税、累進課税と言うけれど実際に所得が高い人はどのように税額計算されていくのかが分かるので、一度は解いてほしい問題。「実社会に出てから使える社会」だ。

2018石川県公立高校入試分析メニュー

今回の入試分析を見て「どうやって合格力を身に付けていくの?」と思った新中3生、「高校からの勉強の仕方が知りたい…」と思った新高校生、お気軽にお問い合わせください。入会案内またはお問い合わせフォームよりどうぞ。

-高校入試分析


comment

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

関連記事

令和5年度サビエル高校入試問題

備忘録も兼ねて。。。 推薦 【国語】 漢字・慣用句の対策が必要。 【数学】 時間の割に問題量が少し多いかなと感じた。 ただし、基本的な事を問われているので、大学進学を望んでいるのであれば、これぐらいの …

香川県の高校入試より、平面図形の1題

EPSON MFP image 図形と比の問題で連立方程式を使います。 なかなか面白い問題でした。   EPSON MFP image isshinsemi

no image

入試問題

宇部フロンティア大学付属香川高校を受験したゼミ生が、問題を見せてくれたので、解いてみました。 ここからは、あくまで私個人の感想です。 【英語】 長文の組み合わせの問題は、面白いなと思いました。 【国語 …

山口県の公立入試問題~数学編~

今回は数学について、ちょっとしたアドバイスを。。。   数学は、ここ4年は大問9題で構成されています。 問題数は、多い方だと思います。 最後までたどり着くことができない生徒もいます。 &nb …

2023年度山口県公立入試平均点。

4月末に平均点が発表されました。 私なりの問題分析は平均点とほぼ一致していたのですが。。。 数学の平均点が大幅に下がったことは、大きな衝撃を受けました。 小野田教室で受験したゼミ生は、 『数学、簡単だ …

サイト内検索

カテゴリー

アーカイブ