未分類

山上憶良 びんぐもんだふ

投稿日:2018年8月6日 更新日:

昔の教材から

わたもはいらぬ袖なしの  海草みたいなぼろきれを
ともかく肩にひっかけて  低くかしいだ小屋の中 ※
地面にじかにわらをしき  親はあちらに子はこちら
とほうに暮れて沈みこみ  かまどはずっと火の気なく
かまには蜘蛛の巣がかかる ごはんたくこと忘れはて
のどをしぼって細い声   そんなところへ里長(さとおさ)が
むちをたずさえやってきて なんにもないのに税出せと
大声出してわめいてる   つらい悲しい生きる道

※かしいだ=傾いた

山上憶良(やまのうへのおくら)の長歌「貧窮問答歌」万葉集 巻五(八九二)の、
後半部分の現代語訳です。

奈良時代の時代背景のおさらい
・律令体制の立て直しに失敗し、地方の政治が乱れた
・地方に武士が発生
・摂関政治(藤原氏)11世紀前半に全盛期(道長・頼通)
・院政(白河上皇・荘園拡大・武士の成立・保元の乱・平治の乱)
・平氏政権(日宋貿易)
・平氏、壇ノ浦で滅ぶ(全国に守護・地頭)
・鎌倉幕府成立
封建制度:将軍と御家人、御恩と奉公の主従関係、土地をやりとり

反歌:世間(よのなか)を憂(う)しとやさしと思へども
飛び立ちかねつ鳥にしあらねば
万葉集 巻五(八九三)

意味:世の中を辛いものだとも恥ずかしいものだとも思うけれど
飛び立って逃げることもできない。鳥ではないのだから。

上記長歌と同じく、山上憶良が、自身の長歌に対して詠んだ反歌(はんか)。
返歌(へんか)とは全く違うので注意。

昔の演劇で「鳥ではないが、飛ぶ」として、
舞台の中で飛んでみせる演出があったそうです。
これを観て感動し「真の外連だ」と表現した記述をみました。

外連(けれん)
歌舞伎や人形浄瑠璃で、見た目本位の奇抜さをねらった演出や演目
早替わり・宙乗り・仕掛け物など。
転じて、ハッタリや誤魔化しを指す。
「言うことに外連がない」「彼はケレン味が強い」

-未分類


comment

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

関連記事

no image

ルンバールとサーロインステーキ

妻がルンバールを受けたことがある。 立ち会うというと変だが、術式を見せていただいた覚えがある。 当然、素人考えでも非常な注意を必要とする術式だろうので、興味深く思ったものだ。 看護師さんが落下菌に配慮 …

梅雨入り。

今日、中国地方は梅雨入りしたそうです。 地理では中国地方に属している山口県ですが、いつも通り『山口県を除く』の文言が入っていました。 気象学的な地理(こんな言葉、あるのか?)としては、山口県は、九州北 …

no image

テスト週間。

小野田教室のゼミ生のうちの半分が、今週の金曜日に期末テスト1日目を迎えるのですが。。。 『日曜日、来る??』 と、今までは私から聞いていたのですが。。。 帰宅前に予定表を挟んであるファイルを見せてもら …

金沢暁町校の夏季特訓

今年の一新ゼミ金沢暁町校はこんな夏季特訓を行います。 塾生は夏季特訓の追加料金なし。 塾外生は高校生3万円・中学生2万円・小学生1万円で 5教科全時間利用可能。 8月1日までにお問い合わせください。 …

上農は草を見ずして草をとり

上農は草を見ずして草をとり 中農は草を見て草をとり 下農は草を見て草をとらず この諺は、中国明代の馬一龍(Ma Yilong)の著『農説』(1620)の次の文が基になっているらしい。 上農者治未萌 其 …

サイト内検索

カテゴリー

アーカイブ